小さないのちを守る会の歴史と証し(その2) 辻岡敏子
2012年4月28日 総会に於いて
小さないのちを守る会の動きの中心は、「殺してはならない」(出20:13)という神の命令に従って、すべての人間のいのちの始めである胎児のいのちを守る人工妊娠中絶の防止が中心です。この「殺してはならない」 という神の命令は、無条件であり、神の至上命令です。
働きを続けるなかで、いろいろな理由で実母(父)による養育不可能な赤ちゃんを血縁でなく、聖書の愛で養育する養子縁組の世話が始まりました。また、活動が大きく展開していくなかで、中絶休験者の深い悲しみや苦しみ悩みを知り、 その救いは聖書以外にないこ とを更に確信させられて、中絶経験者に寄り添い十字架による真の救いの提供に重荷を感じ始めました。辻岡はこの世の現実に真正面から取り組むにつけ、「いのちと性」の尊さ、大切さを教えているのは聖書の外 には無いことを体験して、聖書の教えるいのちと性の啓発教育、講演活動に力を注ぎ始めました。
1984年9月18日に、第一回運営委員会の運営会議がOCC(お茶の水クリスチャンセンター)で開かれました。常任委員として、委員長三森春男、副委員長高田真三、斉藤篤美、鍵和田敏子各牧師、そしてブース記念病院院長の長崎太郎医師、キリスト教倫理の第1人者多井一雄先生が選出し承認されました。当初は毎月運営 委員会が開かれました。
そしてまず規約を作成しました。
- 第1条(名称)本会は「小さないのちを守る会」と称する。
- 第2条(事務所)本会の事務所を東京都千代田区神田駿河台2-1 OCC404に置く。
- 第3条(目的)本会は聖書福音信仰に基づいて以下のことをなすことを目的とする。
- 1)中絶の防止~国及び社会に対し、神の権威と生命の尊厳に関して人間に責任があることを主張。
- 2)養子縁組の相談~望まない妊娠あるいは予期しない妊娠で養育不可能な場合に、子の幸せのために養子縁組の相談及び援助。
- 3) いのちと性の啓発教育~生命軽視と性秩序の乱れ に対して、おもに聖書の視点から尊厳と秩序を守る 講演活動及び相談。
- 4)中絶体験者に救いの提供~過去の中絶体験で悩む当時者に新しい人生の再出発となる相談や助言や援助の提供。
- 第4条(事業)本会は前条の目的を達成するために各種の事業を行う。
- 第5条(会員)本会は第3条の目的に賛同する個人又は団体を正会員とする。このほか、本会に協力する個人又は団体は賛助会員となることができる。
この年の10月、「百万人の福音」に「小さないのちを守る会の誕生」と題して三森春男師が執筆。「いのちのことば」の『中絶特集』に辻岡が執筆して、日本の中絶の現実とキリスト者としての社会的使命と責任を共有して多くの方々からの反響と励ましを得ました。
“福音に生きる”とは、神の言葉を宣教すると同時に、“福音に生かされて生きる”私たちが、神の言葉の生き証人として、聖書の愛を実践する必要があるのですね。この世に遣わされている者として、多くの方々がキリスト者としての社会的使命と責任を自覚してくださったことは、「小さないのちを守る会」にとって、神様からの大きな祝福とチャレンジでした。
そして11月に「小さないのちを守る会」の第一回セミナーが開催されました。